豊かな表情が暮らしの景色を彩ってくれる
温かさが宿る、錆青シリーズ
グレーがかった素地の上を流れた染付が織りなす、深くて柔らかい青と茶のグラデーション。
そのグラデーションを閉じ込めるかのように、艶のあるガラス質の釉薬による細かな貫入がキラキラと表面を纏う、錆青シリーズ。
素材は、磁器土に砥部の粘土をオリジナルの配合で混ぜ合わせた半磁器。
土ものの表情に見られるやわらかで素朴な雰囲気と、磁器ならではお手入れのしやすさを持ち合わせています。

適当に顔料を置いただけでは、このグラデーション出来上がりません。
下絵には、流れた後のことを想いながら描く、花唐草の模様が一つ一つ丁寧に描き込まれています。
また、染付の流れと細かな貫入を入れるバランスは難しく、「半磁器」+「鎬(しのぎ)」+「染付」+「釉薬」すべての工程において、松田さんご夫婦がこれまで作り上げてきた陶芸の要素の積み重ね、生まれたシリーズです。
かたちをつくり、釉薬をかけ、焼き、出来上がったうつわの景色は、偶然のようで、必然的に生まれたものだということを知ると、ますます錆青の表情に惹かれていきます。

脚付きの杯、「ゴブレット」
約180mlの容量。
陶器のゴブレットの魅力は、アルコールに限らず、使う人によって、バリエーション豊かに使えるところ。
どっしりとした重厚感、握りやすくデザインされた脚は、ワインやビールを注いでも安心。
また、コーヒーを淹れれば、いつもより少し特別なティータイムに。
カップ部分に流れる深くて柔らかい染付のグラデーションと、釉溜まり。
表面を纏う、美しい貫入。
それらを愛でながら、ゆったりとした時間を過ごして。
豊かな表情は、暮らしの景色と心も彩ってくれます。

「皆様の食卓が豊かになりますように」という想いを込められ、作られるおふたり。
そこには温かさが宿り、そっと寄り添い、心を満たし、私たちの暮らしを豊かにしてくれるということが伝わってきます。
皆様にも手に取って感じていただけたら。