洗練された造形に、温かみを纏ううつわ
洗練された造形美でありながら、全体の雰囲気は、ふわっと柔らかで、可愛らしい。
まるで焼き菓子のような田川さんのうつわたち。
信楽の土ならではの素地の緋色が纏った、優しくて落ち着きのある色味の釉薬。
田川さんの作品は、その釉薬の表情がとても印象的です。
釉薬がうつわの上でみせる結晶と貫入。
うっすらとのぞく緋色とキラキラと輝く釉薬の表情は、自然の景色にも似たものを感じます。
グレーは、霞がかった夜空のよう。

神秘的で趣きさのある、使い込むうちに深さを増す変化も楽しみなカラー。
緋色が強くでたもの、釉薬の色ムラ、所々にピンホール、鉄粉も見られますが、うつわが魅せる全ての表情が豊かで、それらからは、土ものならではの温かみを感じることができます。
裏面の美しい緋色のグラデーションも、是非愉しんでいただきたいポイントです。
※制作時期によって、釉薬の色目の出方が少々異なります。
入荷に合わせ、都度、それぞれの風合いをきちんとお伝えできるように撮影をしております。
色目などは、詳細写真で必ずご確認くださいませ。

広い口径と少し低め造形。
薄く丁寧に削られた縁。
ずっしりとした重さもありながら、細部は繊細に仕上げられており、全体的にスッキリとしたイメージのマグカップ。
容量は、約250ml。
たっぷり容量なのも嬉しい。

温かいコーヒーや、紅茶を注いで。
安定感があるので、お仕事中に。
また、新聞や本を読みながら。
パソコンやお気に入りの動画を観ながら。
下部に残る素地の緋色が見えるバランス。
釉溜まりとのコントラストを愛でながらのティータイム。

五寸プレートと合わせて。
スープカップとしてお使いいただくのもおすすめです。
同じ釉薬同士、他の釉薬の色目と合わせても可愛い。

「焼き上がり後が楽しみで、窯の蓋を開けた瞬間の、やっと出会えた瞬間がすごく好き。」
そうおっしゃる田川さんのその言葉に、土を愛し、作品に真摯に向き合う想いが伝わってきます。
田川さんの洗練された造形センスと土との対話から生まれた温かみが残る雰囲気のバランスは、手にした時、とても心地が良いのです。
マットな表情は、使い続けていくと油や水が馴染んでいき、色目によって変化や模様が生まれていきます。
白や薄青のうつわは、しっとりとベージュ感が増していき、紺やグレーのうつわは、重厚感が増すような風合いに変化します。
そんな変化も愛おしく、私たちの暮らしと共に歩んでくれるうつわです。
【ピンホールや釉薬のはじけについて】
どのカラーの釉薬にも、ピンホールと呼ばれる小さな穴や、釉薬のはじけた後が所々にみられます。
うつわの表情として、愉しんでいただけましたら幸いです。